Tag Archives: 伊吹本

津山事件: 狭山事件: 夏コミ告知 その4

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最終告知です。

無事印刷も上がり、いざ戦場へ赴かんとの気概が盛り上がりつつあります。では、会場でお会いしましょう。


コミックマーケット80
日時: 8月14日(日)10:00~16:00
ブース位置: 東地区 Q-34a
サークル名: 事件研究所
会場: 東京ビッグサイト
東京都江東区有明3-11-1

【新刊】

書名 ページ数
(予定)
著者 価格
(予定)
狭山事件 現地インタビュー集 Vol.1 160 伊吹隼人 1,800円
津山事件の真実 増補改訂版 付録:津山事件報告書 360 事件研究所 3,900円
津山事件の真実 増補改訂版 付録なし版 120 事件研究所 1,200円

とらのあな通販もよろしくお願いします。

『津山事件の真実』の予約分完売しました。ありがとうございます。予約から本発売に移行した時点で復活すると思いますので、またお願いします。本ブログ上での通販もよろしくお願いします。

【旧刊】

書名 著者 価格(予定)
狭山事件 – 46年目の現場と証言(風早書林版) 伊吹隼人 1,000円

 

狭山事件: 夏コミ告知 その3

伊吹隼人さんの『狭山事件 現地インタビュー集 Vol.1』につきまして、とらのあな通販にて予約受付が始まりました。
とらのあな通販 予約受付ページへ

すいません。こちらの手違いで紹介文が間違っています。
紹介文だと石川一雄さんへのインタビューを中心に、石川さんの冤罪を証明するためのインタビュー集という形になっていますが、実際には石川さんの冤罪を前提に、真犯人推理をする材料としてのインタビュー集となります。詳しい内容はこちらのエントリをご参照ください。なお、インタビューした相手に「OGの義理の姉」を追加しています。

現在、紹介文の修正依頼を出していますが、時期が時期だけにとらのあなも多忙なようで、修正に時間がかかっています。上記をご理解いただいた上で紹介ページをご参照いただきますようお願いします。


コミックマーケット80
日時: 8月14日(日)10:00~16:00
ブース位置: 東地区 Q-34a
サークル名: 事件研究所
会場: 東京ビッグサイト
東京都江東区有明3-11-1

【新刊】

書名 ページ数
(予定)
著者 価格
(予定)
狭山事件 現地インタビュー集 Vol.1 160 伊吹隼人 1,800円
津山事件の真実 増補改訂版 付録:津山事件報告書 360 事件研究所 3,900円
津山事件の真実 増補改訂版 付録なし版 120 事件研究所 1,200円

*『津山事件の真実 増補改訂版』の付録なし版を販売することにしました。こちらは前回の本をご購入いただいた方向けに、「津山事件報告書」を付属しない形でその分だけ安価にご提供する物です。これは現在のところコミケ会場と本ブログだけでの販売とする予定で、部数も限られていますので売り切れの際にはご容赦ください。

【旧刊】

書名 著者 価格(予定)
狭山事件 – 46年目の現場と証言(風早書林版) 伊吹隼人 1,000円

 

狭山事件: 夏コミ告知 その2

またまた宣伝ですいません。

夏コミ新刊につきまして、伊吹隼人さんから詳報が入りました。

タイトル: 『狭山事件 現地インタビュー集 Vol.1』
著者: 伊吹隼人
ページ数: 160ページ
予価: 1,800円

内容:
『検証・狭山事件』著者の伊吹隼人さんによる現地インタビュー集です。

  • N家近所の住人
  • N家近所の商店主
  • 犯人が現れた畑の所有者
  • 佐野屋向かいの畑の所有者
  • 狭山市立中央中学校女子生徒
  • ITが轢死した現場そばの住人
  • OGの義理の姉
  • PTA会長の甥
  • 死体発見時、現場にいた消防団員の息子
  • 養豚場斜め向かいの家の住人
  • 被害者の元同級生
  • A先生と一緒に教育委員会に勤務していた人物
  • 事件当時の堀兼中3年生(=野球部員)
  • (堀兼)光英寺
  • M魚店
  • L美容室
  • Hオートサービス
  • 被害者と一緒に高校に通学していた人物
  • 教科書発見現場脇の畑の所有者
  • ITの知人
  • 某狭山事件本著者

なお、

  1. 『検証・狭山事件』に掲載されたインタビューの再掲を含みます。「これまでに発表したものと新規のものが半々くらい」とのことです
  2. 一部証言(インタビュー)拒否の方を含みます。あらかじめご了承ください

私の『津山事件の真実』もそうですが、同人誌というのは印刷部数が少ないため、どうしても市販の商業書籍と比較するとページ数対比で高価になってしまいます。その分、濃厚かつコアな内容をご提供していますので、何卒ご了承を賜りますようお願いします。

また、こちらの伊吹さんの本も、通販(本ブログ上での通販ならびにとらのあな委託)を行う予定です。そちらもよろしくお願いいたします。


コミックマーケット80
日時: 8月14日(日)10:00~16:00
ブース位置: 東地区 Q-34a
サークル名: 事件研究所
会場: 東京ビッグサイト
東京都江東区有明3-11-1

【新刊】

書名 ページ数
(予定)
著者 価格
(予定)
狭山事件 現地インタビュー集 Vol.1 160 伊吹隼人 1,800円
津山事件の真実 増補改訂版 付録:津山事件報告書 360 事件研究所 3,900円
津山事件の真実 増補改訂版 付録なし版 120 事件研究所 1,200円

* 『津山事件の真実 増補改訂版』の付録なし版を販売することにしました。こちらは前回の本をご購入いただいた方向けに、「津山事件報告書」を付属しない形でその分だけ安価にご提供する物です。これは現在のところコミケ会場と本ブログだけでの販売とする予定で、部数も限られていますので売り切れの際にはご容赦ください。

【旧刊】

書名 著者 価格(予定)
狭山事件 – 46年目の現場と証言(風早書林版) 伊吹隼人 1,000円

 

その他: 夏コミ告知

夏コミC80にて同人誌等を販売します。

コミックマーケット80
日時: 8月14日(日)10:00~16:00
ブース位置: 東地区 Q-34a
サークル名: 事件研究所
会場: 東京ビッグサイト
東京都江東区有明3-11-1

【新刊】

書名 著者 価格(予定)
狭山事件 現地インタビュー集 Vol.1 伊吹隼人 1,800円
津山事件の真実 増補改訂版 付録:津山事件報告書 事件研究所 3,900円

【旧刊】

書名 著者 価格(予定)
狭山事件 – 46年目の現場と証言(風早書林版) 伊吹隼人 1,000円

価格等は変更になる場合があります。
前回の本をご購入いただいた方向けに「津山事件報告書」を除いた廉価版を作ろうかと思ったのですが、ちょっとリアルのお仕事が忙しくて力尽きているためムリそうです。ご要望が多いようであれば別途で何らかの方策を考えます。
あと、オチたらすいません。

以前にも書いたように、コミケというのは草食系のオタクの方々の祭典なので、特に怖いことはありません。また、3日目は男性向け18禁作品がメインの日ですが、私が出ている東地区は評論関係が中心で、事件や歴史に興味がある方には面白い本が他にも出ています。前回の冬コミでは隣のブースで軍事関係のえらく「濃い」本(例えばホルテンHo229本とか、古代の城塞の建築についてという本)を売っていて、思わず読みたくなりました。

今年の夏コミは、節電の関係もあって例年以上に「暑い」コミケになりそうです。ご来訪いただける方は、水分補給等を含めて充分に体調に気をつけてください。

追記)コミケ後、これらの本の通販を開始する予定です。前回同様、本ブログ上での直接受付と、とらのあなでの委託販売を予定しています。詳細は追ってご連絡しますので少々お待ちください。

 

狭山事件: 甲斐仁志氏の「新推理」

『狭山事件を推理する』の著者である甲斐仁志氏が、「新推理」を発表し始めています。まず最初に、殺害現場に関しての考えがこちらにまとめられています。

確定判決の「殺害現場」がお話しにならない点においては、甲斐氏の論考に深く同意します。今回新たに開示された証拠で、「殺害現場」にはルミノール反応がなかったことが確認されたとのことで、これだけでも確定判決のストーリーが破綻していることは明らかであり、早期に石川さんの再審ならびに無罪判決が出されることを希望します。

その後、甲斐氏はOG(甲斐氏の論考の中では「西富源治」という仮名になっています)宅での犯行を否定する議論を行っています。この内容については、納得するところと、納得できないところが両方ありますので、私(本ブログ管理人)の意見を付記しつつ紹介させていただきます。

Read more… →

狭山事件: 堀兼中野球部員の証言 その2

伊吹隼人さんから追加の取材報告です。

今回インタビューした相手は、前回の証言とは別の方で、堀兼中3年時に被害者と同学年で野球部員だったSM氏と、その弟のST氏の2人です。

SM氏:

  • (A先生)はとんでもない暴力教師だった。
  • (A先生)は英語教師で、半月前教えたことを覚えていなかったりすると、それだけで殴ったりしていた。
  • 男も女も廊下に並ばせて鼻血が出るまで殴り続けたりしていた。
  • 今だったら絶対に卒業式で〝お礼参り〟されていると思う。
  • 少し前、スナックでたまたま堀兼中の人間と会って喋ったことがあったが、その時も「(A先生)はひどかった」という話が出た。
  • 当時の堀兼中は教師の暴力によって支配されている感じだった。
  • (「(A先生)は嘘をつくようなタイプかどうか」との伊吹さんの質問に)それはどうか分からない。
  • (A先生)は他校に試合に行く時も、怒鳴りながらビシッと生徒を揃えて連れて行く感じだった。
  • 自分もあの頃のことはもう思い出したくない。(A先生)につながるような記憶は思い起こすだけでも不愉快になってくる。
  • 事件のことはいやな記憶なのでもう思い出したくない。
  • 学内には札付きのワルも2~3人いた。
  • (被害者父の「被害者の時の卒業式では酒を飲んで暴れた生徒がいた」との証言を聞いて)そういう記憶はない。ただ、その2~3人ならやってもおかしくない感じだった。
  • それでも、殺人事件をやるほどのワルでは無かったと思う。
  • 当時の堀兼中で男女交際の噂などはなかった。
  • 100人、3クラスしかない学校なので、付き合っている男女などいればすぐに分かったと思う。
  • (「被害者さんはまじめな優等生だったと言われているが…?」との伊吹さんの質問に対して)そうだったと思う。

ST氏:

  • 自分はSMの5歳下の弟。事件当時は堀兼小学校に通っていた。
  • 事件の後は、駐在所の巡査が聞き込みにきた。巡査は今、病院に入院している。
  • 自分はその後教師になった。教育委員会では(A先生)やY先生と一緒になった。
  • 自分も事件に興味を持って調べていたことがあった。親戚が来た時に現場を案内したこともある。
  • 教育委員会を辞める時には、「何か後で役立つかもしれない」と思って、当時の学校の日誌を持って帰って来た。そこには事件当日の野球の試合のことなども書かれてあった。残念ながらそれはボロボロになっていて、「もう使うこともないだろう」と思ったので1週間前に捨ててしまった。
  • 教師の間でも「長兄がおかしい、変だ」という話はあった。「何で脅迫状が届いた時も自分で取らないで弟に取らせるのか」と言っていた。
  • 「被害者宅は家族関係が複雑で、そのため長兄が妹を始末したのではないか」との噂もあった。
  • この付近は、戦後山林を開いて開拓したところ。農地改革の後、小作人上がりの人間たちが開拓にあたった。こちらは貧しく、当時はひどい生活を強いられていた。そのため、最初警察は「そのことに耐えかねたこの地区の人間による犯行ではないか」と疑っていた。

また、伊吹さんによる本ブログへのコメント1コメント2は、この取材を踏まえているものと思います。併せてご参照ください。

以下は私(本ブログ管理人)の感想です。

ST氏について:

  • A先生についてはかなり恨みがあるようで、ここではとても掲載できないような表現で口を極めて罵っています。なお、上記では(これでも)マイルドな部分のみを選んで掲載しています。
  • 個人的な何らかの恨みはあるにしても、A先生のイメージが根底から変わるような証言です。
  • 「(A先生)は他校に試合に行く時も、怒鳴りながらビシッと生徒を揃えて連れて行く感じだった」というのはかなり重要な証言だと思います。A先生が高圧的・暴力的な教師だったという前提に立つと、OTくんやH氏が事件当日にバラバラに試合会場に向かっていたことは、やはり事件当日に堀兼中は試合がなかったことを意味するでしょう。
  • ST氏自身は、事件当日のことは思い出したくないと証言拒否のようです。
  • このA先生像を出発点にすると、A先生証言の意味合いや信憑性も再検討が必要になると思います。

SM氏について:

  • さすがに「(日誌を)1週間前に捨ててしまった」というのは話ができすぎなような気がします。
  • しかし、当時の学校の日誌が実在したとすれば野球の試合については最終決着がついたわけで、惜しい気もします。
  • 最後の証言は、長兄手記にある「農村という古くからの何ものか」を彷彿とさせます。

 

狭山事件: 現地調査告知

(6月11日追記)本件現地調査は中止になりました。大変恐縮ですが、事情ご賢察の上ご了承ください。

伊吹隼人さんより、狭山事件現地調査のお誘いです。以下、ご本人からの連絡をそのまま記載いたします。私(本ブログ管理人)も参加させていただきたいと考えています。

■「狭山事件」現地調査会開催のお知らせ

平成23年6月12日(日)
集合場所:西武新宿線狭山市駅改札口(解説員が「調査会」の封筒を持って立っています)
集合時間:12時50分 出発時間:13時
歩行距離:約3km 所要時間:約3時間
最少催行人員:3名(先着15名まで) 参加費:100円(資料代)
雨天の場合(午後雨天の予報含む):中止
※終了後には駅前飲食店にて「意見交換会」を行います(希望者のみ)。

コース:狭山市駅~被害者通学路~旧入間川駅跡~荷小屋跡~西武通運跡~死体第一発見者宅~入間川分校跡~狭山郵便局跡~小沢毛糸店跡~東中学校跡~第一ガード~第二ガード~X字路~荒神様~OG新居跡~Wさん宅~殺害現場跡(確定判決による)~芋穴跡~死体発見現場~荒縄盗難地点~スコップ発見現場~IT宅跡、石川さん宅跡付近(※事務所には立ち寄りません)~白山神社~狭山市駅

参加ご希望の方は、お1人様1回、コメント欄にお名前(HNで結構です)および「参加希望」とだけお書きください(配布資料準備のため)。
本名・連絡先等のご通知は一切不要です。政治・思想的な背景は皆無の調査会なのでどうぞお気軽にご参加ください。主として「純粋に、狭山事件の内容・真相のみを知りたい」という方々のご参加をお待ち致しております。

管理人注1: コメントで参加表明をするのに気が引けるという方は、メールでblog@flowmanagement.jp(間の@を半角に変換してください)宛にご連絡ください。こちらも捨てアドで結構です。
管理人注2: 当日の天候が微妙な場合にはこちらのブログ上でも開催/中止のご連絡をさせていただきますので、ご確認ください

 

狭山事件: 野球の試合とA先生証言

前回のエントリで、伊吹さんがインタビューしたH氏、当時証言したOTくんとも、まだ野球部を引退していなかったのに、当日は試合に出るためではなく見るために東中へ向かったと証言しています。堀兼中野球部の部員数は不明ですが、当時の堀兼中は1学年3クラスのこぢんまりとした中学であり、3年生が2人もベンチ入りもできないほど競争が激しかったとも思えません。つまり、当日堀兼中学野球部は試合がなかった可能性がかなり高いと思います。

そうなると、A先生の証言の信憑性が疑われてきます。
まず、A先生の証言を確認しましょう。ただし、ご存じの通り、A先生は公判の証人としては呼ばれていないため、野間宏さんの『狭山裁判』から、野間さんの取材に対してA先生が話した内容の引用です。

(A先生)はこの日、県の体育大会の野球の試合が三時半にあり、それに間に合うように生徒を引率して、三時前後、この第二ガードの前を通りかかった。そして、ガードの入り口の向かって左側のところに、うつむき加減に立っている(被害者)を見つけた。
普段とは様子がちがう。ふだんの(被害者)さんなら、元気で、むこうから声をかけてくるはずである。「どうしたの」とこちらから声をかけた。するとはにかんで、足で石をつつくような仕草をした。そして何もいわない。言葉はかえってこなかった。いつもなら、はっきりと「……してるんです」というほうであるのに、なんの返事もなかった。その仕草で誰か人を待っていたのかなと、わたしには考えられると、(A先生)はいった。

(中略)

(A先生)はガード下の(被害者)さんをそのままにして、時間におくれないようにと試合場に向かった。雨がぽつぽつ降りだし、シートノックをはじめたら、雨で試合は不可能であると中止に決定、ふたたび生徒を引率して三時半頃、帰りにそこを通ったのだが、すでに(被害者)さんはそこにはいなかった。

このA先生の証言が事実でないとすると、狭山事件の真犯人推理という点からはかなりオオゴトになります。

  • 第二ガードでの被害者の待ち合わせがなかったことになると、目撃証言のつなぎ合わせによる被害者の足取りが全く異なってくる
  • A先生はなぜそのようなウソをついたのか。伊吹本にもあるように、A先生は上記の内容を事件の翌日(5月2日)には同僚の先生に話しており、その時点で記憶違いが発生するとは考えられない。そうなると故意のウソということになるが、なぜそのようなウソをついたのか。さらに、事件から12年たった時点の野間氏のインタビューに対しても同じウソを続けたのはなぜか。
  • 実際のところ、A先生証言はどこまで信頼できるのか。全部がウソなのか、一部だけがウソなのか。

まずは、A先生の証言がどこまで信頼できるのか、から考えてみたいと思います。A先生証言を分解して考察してみます。ただし、この考察は現時点での私の個人的な考えです。

  証言 考察
1. 県の野球試合に出場するために これはほぼ確実にアウト。試合がなかったことは現時点ではほぼ確実といっていいと思います。しかし、「シートノックをはじめたら」など奇妙に具体的な描写もあり、A先生の意図がどこにあるのか、微妙なところです。
2. 野球部の生徒を引率して 少なくともH氏とOTくんの2人は先生と同行していなかったことを証言しています。しかし、彼ら以外の生徒がA先生に同行していた可能性はまだあります。私の脳内妄想的可能性としては、A先生は「とりあえず一度は東中に試合を見に行け。もし先生と一緒に行けるなら一緒に行け」と野球部員に通告していて、下級生は素直に先生に引率されたが、3年生は既に敗退していたこともあってアホらしくて遊んでから個々に遅れて東中に向かったという可能性を考えています。
3. 三時前後に この時間にも疑問が残るところです。決勝戦が終わったのは遅くとも3:40頃と思われ、3時に第二ガードを通っていたのでは試合の後半しか見ることができません。
4. 第二ガードで被害者と出会った A先生証言の中核となる部分です。もしこれが事実でないならば、A先生証言には何の意味もないことになり、全部を無視してかまわないことになります。しかし、しつこいようですが、A先生は事件の翌日に事件のことを聞くと、すぐに同僚であるY先生に被害者に会ったということを話しており、伝えられるA先生の性格からも、たとえば目立つためにこういうウソを言ったということは考えにくいと思います。そもそも、目立つためにこのようなことを言い出したのであればその後マスコミ等に売り込みに行くはずですが、そういった動きも見られません。
5. 雨で試合が中止になり、三時半に 3.と同様に、この時間経過は多少疑問が残ります。記録によると、3:26~3:39まで小雨が降ったようですがすぐやんでおり、その後4:20に本降りになるまでの間はほとんど雨が降っていません。
6. 学校に戻る途中には第二ガードに被害者はいなかった 4.と同様です。

要約すると、試合があったこと、生徒を引率していたことは事実ではなさそうですが、だからといって第二ガードで被害者に会ったことまで否定するのは尚早ではないかというのが現時点での私の考えです。

 

狭山事件: 堀兼中野球部員の証言

身辺多忙のため、放置状態になったり変な英文が上がったりしていて申し訳ないです。

コメントの方で当日の野球試合と被害者の足取りについて、伊吹さんにいろいろと解説をしていただいています。その議論についてまとめる前に、前提となる情報として伊吹さんから当時の堀兼中野球部員にインタビューをした証言をいただいていますので、まずそれを掲載させていただきます。

以下は、事件当時堀兼中3年生で野球部員だったH氏に対して、伊吹さんが2010年12月17日にインタビューした内容です。本件、実は昨年末に伊吹さんからいただいていたのですが、取扱に迷っていたのとちょっと身辺多忙だったため掲載が遅くなりました。お詫び申し上げます。

  • 事件の日、堀兼中野球部は試合の予定はなかったと思う。
  • 自分もその日は東中に出かけたが、何のために行ったのかは全く覚えていない。
  • A先生と一緒に(引用注、東中に)出かけたわけではない。
  • (「第二ガード証言」の話を聞いた後で)A先生がすぐにバレるようなウソをつくとは思えない。A先生が「試合のために東中に行った」と行っているのなら、或いはそうなのかもしれない。
  • (「A先生証言によれば当日の堀兼中の試合開始予定は3時半だった」という説明を聞いた後で)3時半から試合開始というのは遅すぎると思う。
  • OTや自分は当時3年生だったが、夏前なのでまだ部活は引退していなかった。
  • 当日のことは時間、天候等について何も覚えていない。
  • インターネットで、自分と他の野球部員2名が堀兼中校長宅で警察に事情聴取されたことになっている話を見たが、それを見ると「そういうこともあったかな」という感じ。警察に何かを聞かれたという記憶はある。自分を含めた3名だけが呼ばれた理由はわからなかった。
  • 警察には、「東中に行く途中」ではなく「帰り道で被害者に会わなかったか」と聞かれたと思う。
  • 警察に話を聞かれた他の2人のうち、1人はもう亡くなっている。1人は川越に転居している。
  • 被害者のことはもちろん事件前から知っていた。たかだか100人程度、3クラスの学校で小中ずっと一緒に過ごすのだから、ほとんどの人のことは自然に覚えてしまう。被害者は学校でも目立つ存在だった。
  • 当時、駅方面に出かけたこともほとんどなかった。事件の日にどの道を通って東中に行ったのかも記憶していない。
  • 事件後も学級内や野球部内で事件のことが話題になったことはなかった。
  • ただ、校庭がヘリコプターの発着場になったのでみな騒いでいた。友人とそれを見に行った思い出はある。

この中では、「OTや自分は当時3年生だったが、夏前なのでまだ部活は引退していなかった」という証言が最も重要でしょう。事件当日の細かいことは忘却の彼方であっても、こういう大きなくくりでの日程感は年数が経っても間違えようがないと思います。まだ引退していなかったH氏が事件当日に試合をした記憶がないこと、同じく現役野球部員だったOTくんも、試合をするためにではなく試合を見るために遅れて東中に行っていることから、当日堀兼中は試合がなかったことはほぼ確実と言ってよいと思われます。そうなると、A先生の証言の、少なくとも一部については信憑性に疑問符が付くことになります。

 

津山事件: 冬コミ告知 その6

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たびたびすいません。今回で本当に告知は最後です。
本が出来上がってきました。感慨深いものがあります。読み返すといろいろ修正したいところもありますが、それはまた次回以降の課題ということで。

以下、今回追加した論考の一部です。

第3章 都井睦雄
小学校入学以前
 都井睦雄の戸籍謄本を「津山事件報告書」から引用しておく。
 戸籍によると睦雄は大正6年(1917年)3月5日に加茂町倉見で生まれたとされている。という言い方をするのは、当時の戸籍の届け出はかなり適当だったようであるからだ。例えば睦雄の父母の死亡年月日も、後で詳しく論ずるが墓石の記載と戸籍の記載に食い違いがある。
 私が個人的に睦雄の出生日に多少の疑義を感じるのは、例の「小学校の入学を1年遅らせた」という話にある。「津山事件報告書」には、小学校の担任教師のコメント一覧が掲載されているが、尋常小学校一年生で睦雄を担任した藤田かや子教諭をはじめ、誰も1年遅れという点に触れていない。また、西加茂尋常高等小学校校長からの公式回答にも「就学が1年遅れた」という記載がない。もし筑波本にあるように祖母が無理に1年就学を遅らせたのであれば特筆されるのではないかと思う。

コミックマーケット79
場所: 東京ビッグサイト: ゆりかもめ「国際展示場正門前」駅またはりんかい線「国際展示場」駅下車
出展日: 12月31日(金)(3日目)10:00~16:00
東Q-50b「事件研究所」

販売物:

  • 『津山事件の真実(津山三十人殺し)』事件研究所編著
    A5版350ページ、販売価格3,900円
    付録: 津山事件報告書(昭和14年、司法省刑事局編著)
  • 『狭山事件-46年目の現場と証言』伊吹隼人著(風早書林)
    販売価格1,000円(委託販売)
  • 『決戦―豊島一族と太田道灌の闘い』葛城明彦著(増補改訂・自費出版版)
    販売価格1,000円(委託販売)