昨年末に、津山事件の調査ルポを多く書いていらっしゃる石川清さんが『元報道記者が見た昭和事件史』という本を上梓されました。昭和の猟奇事件のうち、あまり一般的には採り上げられていないものを丹念に取材した労作で、この手の事件に興味がある当方としても知らなかった事件が多く、参考になりました。
内容として、人肉食、近親殺害など相当におどろおどろしい事件が多く、この手の事件に興味がある方でもさすがに受け付けないというレベルのものもあろうかと思います。ただ、それだけに、昭和期以前の日本における農村や地域共同体の「闇」の深さについて改めて思い知らされます。特に人肉食については、生活・信仰・薬効など、様々な理由で様々な地方で行われていたことが語られており、どこまで一般的なものだったのかという疑問も湧いてきます。
また、その「闇」は、平成の現在、本当になくなったのだろうか、ということも考えさせられます。いわゆる「いじめ」関連の事件などは、根っこは同じものではないでしょうか。
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