月別のブログアーカイブ: 11月 2008

下山事件: 死後の筋肉のpH変化について

「死後」「pH変化」でググると、一番上にこんな論文(以下「東北農業研究論文」)が見つかります。

これは、屠殺時に延髄・脊髄を破壊した牛とそうでない牛の筋肉の死後のpH変化を測定した論文です。

このpH曲線が秋谷教授の「標準曲線」と大幅に異なる大きな理由は、以下の2点にあると思われます。

  1. 東北農業研究論文は屠殺後の牛を4℃で保存した結果だが、秋谷教授の実験では25℃ないし30℃で保存していた
  2. 東北農業研究論文においては肉に直接肉のpH測定用プローブを刺してpH測定を行ったのに対し、秋谷教授の実験では肉をすりつぶして水に溶かし、その水のpHを測定した

したがって、曲線の形状が異なること自体を問題にするつもりはありません。

しかし、東北農業研究論文で注目すべきと思われるのは、筋肉の部位、ならびに、延髄・脊髄を破壊したかしなかったか(筋肉に死亡前にストレスを与えたか与えていないか)で、pH変化が大きく異なるという点です。特に、脊髄に近い大腰筋では延髄・脊髄破壊の有無で大きな差が現れています。

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狭山事件: 『46年目の現場と証言』

『狭山事件―46年目の現場と証言』という本が2009年早々に出版されることになったとのことです。

「狭山事件を推理する」管理人氏による著者インタビューがサイトの方に掲載されています。このインタビューだけでもいろいろな内容が明かされていますので、興味がある方は是非お読みください。

某「最後の証言」とタイトルは似ていますが(笑)、長年事件に興味を持って調べていた著者が、改めて事件関係者に丹念に取材した結果をまとめた本です。実は、このエントリで書いた「新しい展開」というのはこの本のことでした。ようやく一般に公表できる段階になったということでかなり期待しています。

ちなみに一応書いておきますと、私(当サイト管理人)もこのサイトで狭山事件についていろいろ書いていますが、イヤガラセや脅迫に類することは一切受けたことがありません。メアドもさらしていますし独自ドメインですのでその線から調べればいくらでも私本人にたどり着けると思いますけど。その意味で、下田雄一郎氏がなぜ一切の連絡を絶ってしまわれたのか未だに不思議でもあり、残念なところです。

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狭山事件: 石川さんが国連の委員会で証拠開示を訴え

「狭山の風」メルマガによると、狭山事件の容疑者として逮捕され、無期懲役の刑を受けた石川一雄さんが、スイスの国連自由権規約委員会において「日本政府に『証拠開示』をするよう勧告してほしい」という訴えをしたそうです。

石川さんは現在、無期懲役の仮釈放という形で日常生活をしています。刑を終えて自由になっているわけではなく、保護観察下に置かれている上に、今後罰金刑以上の刑罰を受けた場合には無期懲役で刑務所に逆戻りということになります。ご本人の言葉を借りれば「見えない手錠」がついたままの状態ということです。同じ理由でパスポート取得や海外旅行はできないと言われており、石川さんサイドもあきらめていたのですが、今年9月になってパスポート取得が認められ、今回の国連自由権規約委員会への参加という話になったそうです。

これまで何度か触れたように、狭山事件に関して、積み上げると高さ2mにもなる証拠が検察に未開示のまま保管されているとのことで、中には弁護側が何度も開示請求したにも関わらず裁判所と検察が一体となって拒否してきたものもあります。そういった証拠類をすべて開示して欲しいというのが石川さんが今回国連の委員会で訴えたことで、ある意味で日本の司法行政の問題点を浮き彫りにするものです。以前も説明したように、刑札・検察は国民の税金を使って大量の人員を動員し、捜査権を持って証拠集め(時には証拠ねつ造(笑))をしますから、集めた証拠はすべて(弁護側の請求がなくても)開示するのが筋というものでしょう。これに対して弁護側は捜査権も人員も予算もない中で資料集めをしなくてはならないという制約があります。本来は、この証拠集めに関する非対称性を補うのが推定無罪の原則(いわゆる「疑わしきは罰せず」)なのですが、日本においてはそれが守られずにえん罪が生み出され続けているという状況です。

状況はそれとして、このブログ的な本題である狭山事件の真犯人捜しの観点から開示してほしい証拠として、下記のようなものがあります。

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下山事件: pH計について その4

『法医学の話』岩波文庫、古畑種基著『法医学の話』岩波新書、古畑種基著

pH測定の精度をこれまで問題にしてきましたが、では、pH測定で精度が出ないとどのような問題があるのでしょうか。

秋谷教授のpH測定による死亡時刻推定については、すでに下山事件自殺説紹介ブログさんの方で詳細な紹介があります。要するに、秋谷教授の下で実際に実験を担当していた塚元助教授(当時)ですら「あの方法はダメですよ。問題にならないですね」と断言するシロモノだったということです。

にもかかわらず、秋谷教授自身ならびに古畑教授は「20分以内の精度で死亡時刻推定が可能」と断言しています。本当にそうなのでしょうか。手法そのものに対する疑問(他の研究者からの批判)については下山事件自殺説紹介ブログさんの記述をご参照いただくとして、ここでは技術的な問題点を論じたいと思います。

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その他: WordPressをバージョンアップ

ブログソフトのWordpressを、2.6.3へバージョンアップしました(これまではWordpress 2.2.3ME)。

タグクラウド(右のメニューの一番下にある単語がいっぱい並んでるところ)を入れたり、個別記事に前後の記事へのリンクを付けたりと、地味にいくつか機能アップもしています。

もし表示等に不具合があるようなら管理人までご連絡ください。

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