狭山事件: 特別重要品触 その2

毎日新聞昭和38年5月9日付朝刊毎日新聞昭和38年5月9日付朝刊

前回のエントリで採り上げた品触の写真が真っ黒になっていて見えにくかったので、毎日新聞の方からもう少し見やすい写真を。

見て判るとおり、どう見てもダレスバッグ(ダレス鞄)ではありません。(…本当にありがとうございました。)

ダレスバッグがどんなものかご存じない方はこちらを。上がパカッと開くタイプで、真ん中にストラップ状の留め具があってそれで閉めるようになっているカバンです。ちなみに、アイゼンハワー大統領の特使だったジョン・フォスター・ダレスが持っていたから日本では「ダレスバッグ」と呼ばれるようになった(アメリカでは通常「ドクターズ・バッグ」と呼ばれている)というトリビアもあります。さらに、そのダレスさんはJFK暗殺に関与した疑いが持たれていることで有名な元CIA長官アレン・ダレスのお兄さんだったりして、ここにJFK暗殺と狭山事件の接点があったんだよ!(なんだってー)。

話を戻すと、チャックがある時点で既にそれはダレスバッグじゃないことは明白なわけです。この写真の横に「ダレス鞄」となっていて、しかも妙に細かいサイズが記載されている品触に、当時誰も疑問を持たなかったんでしょうか。

この「品触」のカバンと、「自白」に基づいて「発見」されたカバンは同じものだったのかどうか。「発見」されたカバンのサイズは「品触」に記載されているサイズと同じなのかどうか。さらに、そのカバンは実際には死体の「第一発見者」によって5月4日に発見されていたものなのかどうか。この辺、検察の倉庫に埋もれていて開示されていないという証拠類の中でも、真犯人が誰なのかを推理する上で是非とも知りたいことの一つです。刑札によって様々な証拠が捏造されていることは明らかであり、その点に疑問はないのですが、その捏造が刑札内部のどのレベルで、何を目的に行われていたのか。このカバンに関する証拠の捏造が、「生きたまま犯人をフン捕まえる」ためにIK氏を罪に陥れる目的で行われたのか、あるいは刑札の(一部の)人間が犯行自体に関与していたことを示すのか。JFK暗殺における2039年みたいに、何年かしたら全ての証拠や書類は情報開示する、みたいになればいいんですけど。

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