狭山事件: 特別重要品触

『冤罪・狭山事件』『冤罪・狭山事件』より、「特別重要品触」

佐木隆三の「ドキュメント狭山事件」などでは、被害者の父親が狭山署員に語ったという 「薄茶色の一見皮製に見えるチャック付きのカバン」という表現に対して、実際に出てきたカバンが皮製であったということをもってカバン自体も捏造・すりかえられたものではないかと疑いをかけています。しかし、5月8日時点で出された品ぶれで「牛革製」と明記されていますので、その疑いはあたらないのではないかと思います。

逆に疑問なのは、どうしてこんなに細かいサイズがわかるのか、という点です。時計であれば同じ型のものをメーカーから取り寄せればサイズ等の詳細もわかるでしょうが、カバンの製造元や型番まで覚えていたとも思えないのに「よこ26.7センチ」 までわかるというのもおかしな話です。このサイズ表記は大体のサイズを覚えていてそれを書いたというレベルではないと思います。4日に死体が発見された時点でカバンも発見されていて、刑札が保管していたのではないかという疑いが残ります。

また、この品触では他に、有名な腕時計の疑惑も指摘されています。ここでは「シチズン・コニー」となっているのに、後に実際に「自白」に基づいて「発見」された腕時計は「シチズン・ペット」であったというもので、なおかつ品触に明記されている側番号も違っていたというものです。これに関しては疑問の余地がありませんね。

ただし、そうなると、カバンは発見されたものを保管していて品触にそのまま記載したのに、腕時計の方は捏造したものということになり、刑札が矛盾した行動を取っていたことになります。この辺は正直よくわからないところです。

3 thoughts on “狭山事件: 特別重要品触”

  1. こんばんは。ご無沙汰しております。
    このビラそのものが有名なものでして、尚且つ、記載されている電話番号は当時も使われていない番号であったと言うお粗末なビラでした。なので、画像でも消す必要はなかったかも…(もっとも、現在では別人に使用されている可能性はありますが)。

    更新頑張って下さい。

  2. ご無沙汰しております。
    その節はお世話になりました&本サイトの移転についてご連絡が遅れて申し訳ないです&コメントありがとうございます。

    電話番号の件、確か、下2ケタが間違ってるとかでしたっけ?その辺も触れた方が良かったかもしれませんね。

    ここしばらく狭山事件関係はお預けになっていますが、またボチボチ続きを書きたいと思いますので、よろしくお願いします。

  3. >管理人さま

    お返事有り難うございます。さきほど、遅ればせながらリンクアドレスを変更しておきました。このブログへのリンクも簡略ながらさせて頂きました。

    ビラ、ご指摘の通りに狭山局の下二桁が入れ替わっており、武蔵局のほうは市外局番(=6)がひとつ抜けている、ト言うお粗末なモノでした。すると、そこを訂正して電話をすると、もしかすると今でも実際に警察に通じるかも知れませんね。

    当方もボチボチ継続しております。以前からそうでしたが、特定の事件に特化した推理サイトでは、当時のメディア記事を掲載している処が、こちらのサイトの特色ですね。事件資料としての価値もあり、その方向で臨んでおられると思いますが、少し要望を記せば、狭山事件当時の差別的報道の例なども見ることが出来ると、当時の雰囲気も伝わり、現在の感覚では理解し難い実態などもある程度解るのでは、と、これは欲を言えば、ト言うことですw。

    下山事件も昔、相当に本を読み込んだこともあるので、参考になります。そのうちに狭山事件関連で小会合を開きますので、よろしかったらまた。

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