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狭山事件入門: 被害者の家族 その2

サンケイ新聞昭和38年5月23日付夕刊より 長兄の手記サンケイ新聞昭和38年5月23日付夕刊より 長兄の手記

コメントで、被害者の家族がみなポエムのような文章を残しているというご指摘をいただきました。確かにそういう感じなので、既に「狭山事件関連資料」サイトの方に掲載した資料ばかりで恐縮ですが一応ここにまとめておきます。

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狭山事件入門: 被害者の家族

被害者の長兄と次姉とぬこ毎日新聞昭和38年6月23日付より 被害者の長兄と次姉とぬこ

以下、被害者家族の情報です。生年で(?)がついているのは没年齢や事件当時の年齢などから推定したもので、1年くらいのズレがある可能性がありますがご容赦ください。

  • 父親。明治38年(1905年)生まれ。平成2年(1990年)没。
  • 母親。明治41年(1908年)生まれ(?)。昭和28年(1953年)没。享年45。死因は脳腫瘍。入院して10日前後で急死したこともあり、この死に疑問を感じる人もいる。1933年に嫁入りしてきた翌朝、庭に墓石が投げ込まれていたという話がある。
  • 長女。昭和9年(1934年)生まれ(?)。事件の8~9年ほど前に家を出て東京で働いていた。実家とはほとんど縁を切っており、その後結婚して子供が出来た時も実家に入れてもらえなかった。
  • 長男。昭和12年(1937年)生まれ(?)。ご存命。詳しくは下記。
  • 次女。昭和15年(1940年)生まれ(?)。昭和39年(1964年)没。享年24。自殺だった。詳細は下記。中学卒業後、高校に行かず家業を手伝っていた。さのヤに身代金(に見せかけた包み)を持っていった。
  • 三女。昭和16年(1941年)生まれ。昭和18年(1943年)没。享年3。
  • 次男。昭和19年(1944年)生まれ(?)。昭和52年(1977年)没。享年33。自殺だった。女言葉で書かれた奇妙な遺書を残している。
  • 四女。昭和22年(1947年)5月1日生まれ。昭和38年(1963年)5月1日(?)没。享年16。狭山事件の被害者。
  • 三男。昭和27年(1952年)生まれ(?)。後に他家に養子に出た。

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狭山事件入門: 「となりのトトロ」と狭山事件

どうやら、「『となりのトトロ』は狭山事件を下敷きにした、亡くなった被害者姉妹に対するオマージュを込めたお話である」という都市伝説があるようです。「狭山事件 となりのトトロ」でググって当サイトを訪問されている方が結構いるので調べてみたら、そういう都市伝説があるらしいということを知りました。

そもそも「狭山事件」を知らない方に簡単に説明しておくと、こんな感じです。

狭山事件とは、昭和38年(1963年)5月1日に16歳の女子高校生が誘拐されて殺された事件である。
1日夜に被害者宅に脅迫状が届き、5月2日深夜に被害者の姉が指定場所に身代金を持って行った。警察は指定場所のまわりに40人以上を動員して包囲網を布いたが、その真ん中に犯人が実際に現れ、姉と会話をしたにも関わらず取り逃がしてしまった。
被害者の遺体は5月4日に畑に埋められていたのを発見された。遺体は頭の上に玉石が置かれるなど奇妙な埋められ方をしていた(切り刻まれてはいない)。
3週間後に被差別部落出身の石川一雄さんが逮捕されて有罪(1審は死刑、2審は無期懲役で確定)とされた。しかし、現在も冤罪を訴えて再審請求している。

まず最初に言っておくと、当然ですが狭山事件とトトロの間には一切共通点はなく、都市伝説として流れているものはすべて曲解か明らかな誤りです。一応念のため下記に事実関係をまとめておきます。

* 検索してここへいらした方へ。せっかくですから、狭山事件入門も覗いていってください。

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狭山事件: 入門編の身代金受渡しに関する補足 その2

東京新聞昭和38年5月4日付朝刊東京新聞昭和38年5月4日付朝刊

この記事のコメントでご要望をいただいた、より見やすい写真です。マイクロフィルムや縮刷版ではなく、当時配達された新聞そのものが閲覧できる某所の図書館で取ったコピーです。なお、サンケイ新聞はこの図書館に配達された版では違う写真が出ていました。

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狭山事件入門: 「PTA会長」について

身代金受渡しで重要な役割を演じた人物の一人に、狭山事件フリークの間で通称「PTA会長」と呼ばれている木材販売店主、MH氏がいます。この人は、被害者が卒業した堀兼中学校で教育振興会会長(生徒が卒業後も会長を務めることができるよう、PTAではなくこう呼んでいた)を務めており、息子が被害者と中学で同級生で生徒会長、被害者が副会長だったことから被害者とも顔見知りでした。

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狭山事件: 入門編の身代金受渡しに関する補足

サンケイ新聞昭和38年5月4日付朝刊サンケイ新聞昭和38年5月4日付朝刊

例によって補足です。

今回引用した記事に、失敗の経緯がかなり詳しく書いてあります。

  • 2日午前0時(1日深夜)にも20人規模の刑官がさのヤに張り込んだ
  • 3日午前0時(2日深夜)の犯人取り逃がしの際、次姉が犯人と押し問答になったときに、次姉のそばにいた刑事が懐中電灯を振り回して「犯人発見」の合図をした
  • その合図を見て、向かいにいた刑事が「犯人逮捕」の合図である呼び子を鳴らした
  • 呼び子を聞いた刑事たちは呼び子の方に殺到し、その間に犯人はゆうゆうと逃げた

ただし、これが定説というわけではなく、次姉やPTA会長の裁判での証言に「呼び子が鳴った」という話が出てこないところから、「呼び子は鳴ら(さ)なかった」という説も有力です。

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狭山事件入門: 目次

*注: 現在、「狭山事件入門」関連のコンテンツを順次狭山事件関連資料Websiteに移行しつつあります。こちらのブログに残っている記事は内容が古くなっている場合もありますので、ご了承ください。

目次というか予定です。予定なので変更する可能性は大いにあります。

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