例によって補足です。
今回引用した記事に、失敗の経緯がかなり詳しく書いてあります。
- 2日午前0時(1日深夜)にも20人規模の刑官がさのヤに張り込んだ
- 3日午前0時(2日深夜)の犯人取り逃がしの際、次姉が犯人と押し問答になったときに、次姉のそばにいた刑事が懐中電灯を振り回して「犯人発見」の合図をした
- その合図を見て、向かいにいた刑事が「犯人逮捕」の合図である呼び子を鳴らした
- 呼び子を聞いた刑事たちは呼び子の方に殺到し、その間に犯人はゆうゆうと逃げた
ただし、これが定説というわけではなく、次姉やPTA会長の裁判での証言に「呼び子が鳴った」という話が出てこないところから、「呼び子は鳴ら(さ)なかった」という説も有力です。
この記事を読み返していてのもう一つの発見は、真ん中ちょっと下にある写真です。この写真に自転車が写っているとか、家族と一緒に中学時代の被害者の担任だったA先生(第二ガードで被害者を目撃した人)が写っているのは知っていましたが、中学時代の級友にしてPTA会長の息子のMくんが写っていたというのは、さっき読み返すまで気づきませんでした。ちなみに、このMくんは堀兼中学校卒業後、県立川越高校へ進学しています。……被害者の日記にあった「狭山工業高校」ではありません。為念。
ちなみに、その被害者の日記にあった「狭山工業高校」の男子生徒が誰なのか、おそらく、被害者と朝一緒に自転車で学校に行くことがあったという狭山工業高校の生徒と同一人物ではないかと思いますが、被害者と同い年とすると今年で60歳、まだご存命の可能性が高いと思います。是非一度お話を伺ってみたい人の一人です。
管理人様 補足とても興味深く読ませて頂きました。やだ〜!低機能の懐中電灯は犯人を照らし出すより、狼煙代わりに振り回す為の物だったんですね(*_*;。でも犯人はそれを目印にしたから逃げ切れたのだから(まるで逃がす為の…)と言われても仕方ないですね。狭山工業生と一緒に通学することもあったそうですが、管理人さん早くお会いできるといいですね。そしたらYさんが群馬に交流会の日、本当は狭工に行きたかった理由も分かるかも。ところで、事件当時、地元では随分色々な噂があったんですね。誰が怪しいとかって言う陰口。私は2人か3人の事しか聞きませんでしたが、噂はもっとあるそうで、その人達の事は今まで見た各サイトの資料には載っていないので、単なる中傷か、完璧なアリバイがあって除外されたかでしょう。それでも、参考としては、誰がどんな理由で怪しまれ、どんなアリバイで潔白が証明されたのかも知りたいですよね。警察の資料が公表されれば掲載されているのかしら?
管理人様
貴重な資料となる記事をアップいただきまして、ありがとうございました。
興味深い記事内容ですが、気になる点がありました。
1.記事の本文に、『「脅迫状がほうりこまれて」から「5/2の夜12時」まで
28時間ある』とありますので、この記事は、「脅迫状」が被害者宅のガラス戸に
挟まれた時刻を「5/1の午後8時ごろ」と認識していることになると思われます。
2.「残された自転車を前に不安にくれる家族と先生たち」の写真につきまして
(1)この写真は、5/2夜12時(5/3午前零時)の張込みに失敗して
犯人を取り逃がし後に、不安の中で集まった家族等を写し、
5/4の朝刊に掲載されたものですので、5/3に撮影されたと思われます。
その写真に「被害者の自転車」も写っていることから、以下のことが考えられま
す。
①自転車は、5/1に被害者宅の物置で発見された時点から、一度も警察の管理下
におかれることなく、ずっと被害者宅に置かれたままだった。
②自転車は、5/1に脅迫状とともに、いったん警察に領置(任意提出)された
が、この写真が撮影される時点までに、警察から被害者宅に返却された。
(インターネットの情報では、「亀井氏」の著作の中で、脅迫状と自転車を
5/1に領置した旨の書面の存在について、書かれているとのことです)
上記①②のいずれにしても、重要証拠の自転車に対する警察の認識に問題があると
思います。
(2)写真のキャプションで、被写体の人物の説明がありますが、
①「実兄」とあるのは、「長男」のことでしょうか。
次女については、単に「姉」と書かれ「実姉」とは書かれていないのに、
長兄については、「実兄」と書いているのが気になりました。
「姉」は「実姉」ではなかったので、記者が書き分けたのでしょうか。
②また、写真では、「実兄」の顔がはっきりしないのですが、
「メガネ」をかけていたのでしょうか。
②「右端」の人物が誰かについては、書かれていないようですが、
どなたなのでしょうか。
おわかりでしたら、教えていただければ幸いです。
>モカ様
本文中にも書きましたが、この記事に書いてあることが全部「真実」だと決めてかかるのは危険だと思います。呼び子が鳴ったか鳴らないかというかなり根本的なところでも異説があるくらいですから。
あと、事件当時のうわさ話については以前書いたこちらの記事を参考にしてください。この記事に出てくる「佐野屋から二百メートルのところに住んでいる電気屋のMさん(二九)」「Kさん(三一)」というのが誰なのか、私(管理人)は知りません。また、他でよく話が出てくる容疑者としてはTA(苗字がHとも読めるのでHAと紹介されていることも多いのですが、実際の読みはTのようです)とか養豚場三兄弟がいますね。「地元の色々な噂」がどんなものか興味があります。差し支えない範囲でお聞かせいただけないでしょうか?
>禅公案様
1:公式の脅迫状発見は7時30分ですから、この書き方だと8時との間(30分)は誤差の範疇と私(管理人)は考えます。1時間30分とか2時間30分ならともかく、28時間も経過している時に「28時間30分」とは書かないのではないかと思います。
2-(1):自転車に関しては、「狭山事件を推理する」サイトの中の「自転車と脅迫状の領置調書について」をご参照ください。関口邦造巡査部長が、5月1日に身分証明書と封筒入脅迫文と同時に「セキネ号婦人車」を被害者宅にて領置したことになっています。この領置調書は石川さんの裁判の際に検察から証拠として提出されたものなので、亀井本独自の取材ではなく「公式見解」の一つと言えるでしょう。これに対して、ご指摘の通り朝日ニュースの動画やいろいろな新聞の報道では明らかに自転車は被害者宅に置かれたままであり、特に刑札の管理下にあったような形跡が見あたりません。この点は、これもご指摘の通り刑札の大きな落ち度と思われます。
2-(2):実は、サンケイとほぼ同じ時に撮影されたと思われる写真が、同じ5月4日付の東京新聞朝刊にも掲載されています。写真部分のみ拡大してスキャンしてみます。
サンケイ新聞昭和38年5月4日付朝刊
東京新聞昭和38年5月4日付朝刊:自転車と次姉の位置関係から考えて、サンケイよりちょっと右側からほぼ同時に撮影したものと思われます
残念ながら、両方とも元のマイクロフィルムの時点で黒つぶれしてしまっていてイマイチよく見えません。一度、マイクロフィルムではなく実際の新聞が閲覧できる図書館で改めて確認したいと思います。また、ご質問にわかる範囲でお答えすると、
1.「実兄」は「長男」(長兄)です。ただ、姉を「実姉」としなかった点について、そこまで深く考えてやったことのようには(個人的には)思えません。根拠はありませんけれども。
2.長兄はメガネをかけているように見えます。
3.右端の人物は誰かわかりません。被害者の父親(白髪)は一番奥にいるように見えるので、父親ではないようです。次男(次兄、当時19歳)かもしれませんが、ちょっと老けすぎているようにも思います。
追記。
>禅公案様
被害者長兄のメガネがもっとはっきり写っている写真がありました。ご参考まで。
管理人様
貴重な資料を追加いただきまして、ありがとうございました。
長兄は、別の資料(毎日新聞)では、メガネをかけていませんが、今回追加いただいた資料や、朝日ニュースの映像などを見ますと、家の中でくつろぐなどの時は別として、普段は、メガネをかけていた、ということですね。
「自転車と脅迫状の領置調書」につきましては、裁判記録などの公的資料で、その存在が確認されている、という理解でよろしいでしょうか。
いったん領置されたとしても5/3までには被害者宅に返却されていた、というのでは、
あまりにも杜撰な捜査感覚だった、と思います。
追加で掲載いただきました「もっとはっきり写っている写真」の記事で、『硬い農道を掘るには、「マンガ(先のとがった熊手状の鍬)」を使わないと、これだけの深い穴は掘れない』との住民の発言がありました。
朝日ニュース映像で、遺体を埋めた穴を掘るのに使用された「スコップ」が映っていますが、その「汚れ具合」も不自然ですが、硬い農道で深い穴を掘ることが、スコップで可能だったのか、という疑問があることになります。
管理人様 噂について…さのや付近の電気屋さんの事などは私は今日初めて知りました。私が聞いたのは、その当時、例の自殺したOGさんの遠縁らしい人…もう40代くらいの人で、若い頃から身を持ち崩してテキヤなどをしていたけれど、当時は定職もなく、子供を何人も抱えて超貧だったとか…が、その少し前から自転車でうろついていて、見かけた人はどこから何か盗まれないかと警戒していた。その後この事件があり「もしや…」と思った人もいる。という話しがひとつ。もうひとつは当時どこかの超ドラ息子で外車などを乗り回していた不良に、お金のないチンピラの取り巻きが沢山いたが、相手にされないハンパ者の中には、ドラ息子の気を引く為にいろいろな(大きな事)をしようとする者もいた。という話です。但し、こちらの話の方はドラ息子やその親に聞こえるのを恐れて、皆やたらに他言しなかったという事でした。
P.S. 前者のチャリの人は実家はもう少し16号寄りですが、勘当されていて、親類に借金を申し込んでは断られていたとか…。大体は門前払いだったみたいです。 大禅 公案 様のスコップの件は 昔(事件当時)は農村ではどこでもスコップだけでずいぶん深い穴を掘っていたそうです。今のように小型の掘削機なんかはなく、子供の頃から男は皆スコップや鍬で穴掘りをしていたとか。ただ、踏み固められた農道だから、柔らかい田畑とは違うと思いますが、少なくても今の人が考えるほど大変ではなかったみたいです。
>禅公案様
領置調書については、当方はその理解です。ただ、正直、公判記録そのもので確認したわけではありませんので、100%の自信を持って言い切れる状態ではありません。
スコップと穴掘りについて。現場は農道ではあったものの硬い地盤(岩盤)というわけでもなく、実験では30分程度で1人でも(スコップで)穴が掘れたという話をどっかで読んだ覚えがあります。もしかしたら2ちゃんのスレだったかもしれません。もし実験の結果スコップだけで30分では穴が掘れないということになれば弁護団が裁判の反証として使わないということも考えにくいし、あれだけいろいろ実験した弁護団がそういう単純かつ再現が簡単な実験をやってないとも思えないので、1人で30分程度で穴を掘ることは、(モカさんも書いている通り)物理的には可能だったと思います。自分ではやったことありませんが。
>モカ様
興味深い話をありがとうございます。OGの親類云々というのは、当時「沢付近でぁゃιぃ二人組を見た」と言って、その二人組がIKさんだったりTAだったりOGだったりと一定しないことから、自分も疑われたOS氏ですよね。なんというか、この人のおっちょこちょいさとさのヤの現場での犯人の落ち着きは、あまりにもかけ離れているような気もします。
それよりも、「ドラ息子とチンピラ」の方に興味を惹かれます。以前、2ちゃんスレでも、「議員とその手下」みたいな説がありましたが、ドラ息子ということは親爺はそういった議員とかそれに類する階級ということでしょうから、その説にもつながる話のような気がします。
管理人様 先日、コメントしたつもりでいたら、半分眠っていたのか、最後のクリックを忘れたのか、キチンと入力出来なかったみたいです。噂の件ですが、OGさんの遠縁らしい人というのは、確かにイニシャルは同じなのですが、目撃証言をした人とは別人のような印象なのです。目撃証言のOMさんて人の事は、確か管理人さんが紹介して下さった別サイトに掲載されていました。最初はOGさん他一名を見たと証言したのでしょう? 後で証言を翻したらしいですが、最初の証言は本当に思い違いだったのかしら?それはともかく、私の聞いたのは何か別の人の話みたい。証言者のOMさんは年齢はいくつくらいの人だったのでしょうか?犬のブリーダーみたいな話でしたが、私が聞いたのは、元テキヤで当時は無職、40代後半で。子供が4〜5人もいるのにプータローの、しょうもない人という事でした。当時40代後半だとすると今はもう80歳過ぎてますね?その人は飯能方面に住んでいて、日頃はあまり見かけないのに、事件の少し前に、誰の家を訪ねるでもなく自転車でうろついているのを偶然顔見知りの人が見かけて(ホラ吹きでロクでもない奴だから何か盗みに来たかも知れない。)と思って、睨みつけたそうです。戦争もわざと体調を崩して徴兵から逃げ回り、結局徴兵されなかった卑怯者という噂もあり、O一族の間では評判の悪い人だったみたい。もうひとりのドラ息子の方の情報も集めていますが、何か今も関わりたくない人が多いそうです。
ふたたび興味深い情報をありがとうございます。
あの辺はご存じのとおりOさんばかりなので、イニシャルで話してるとヤヤコシイですね。もしそちらで考えていらっしゃる方のイニシャルがOMなら、私が思っている人(OS:ご指摘の通り「狭山事件を推理する」サイトで詳しく説明されている人です)とは別人だと思います。OS氏は「植木屋兼(仕事等の)ブローカー」ということですが、ブリーダーとブローカーはダジャレにはなってもちょっと違う職種のようでもありますし。そういうなんというか、地元民の間だけで噂になっていた人というのも是非今後知りたいところです。
最近になって狭山事件を知ったものです。色々と調べていますが、この新聞記事紹介を感謝いたします。
この中で、家族が誕生会について語っているのは興味深いと思います。しかも被害者自身が何かを料理して家族に振る舞うような記述です。高一の少女らしい、あってもおかしくはない話と思います。
裁判では当夜に特に予定されていた行事はない、とされていますが、被害者自身が何かを提供するので家族は何も用意していなかった、とも受け取れます。もちろん、この記事が記者による脚色である可能性も皆無ではありませんが、もし被害者が家族に当夜に何かを提供する事を事前に語っていたなら、いわゆる狂言説は成り立たないのではないでしょうか。