蜂巣敦さんの『「八つ墓村」は実在する』に、事件の被害者の墓について
なかには、「妻 殺戮」と刻まれているものまであった。
という記述があり、読んだときに「いくらなんでもこりゃ嘘だろう」と思っていました。ところが、貝尾を歩いていてひょいと上の方を見上げたら、本当に「妻 殺戮」と書かれた墓を見つけて全身に鳥肌が立ちました。
しかし、急いでその墓に近寄ってみると何のことはない、数○さんというお名前の方のお墓で、「妻 数○」と書いてあるだけでした。下の方から見上げたときには「数」が字体の問題もあって「殺」に見えてしまい、それにつられて下の字も似ても似つかない「戮」という字に見えていたようです。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではありませんが、怖い怖いと思っていると本当に怖いものが見えてしまうというお話でした。ちなみに、この数○さんは事件の被害者ではありません。
「妻 殺戮」?
このサムネイルでも何となく「妻 殺戮」と読めませんか?あと、右隣に事件の被害者の墓があり、昭和十三年五月二十一日という命日が入っています。
数○さんの墓は特に近くに行きにくい場所にあるというわけでもなく、蜂巣敦氏もおそらくは近くで「妻 殺戮」とは書かれていないことを確認したのではないかと思います。本の中で記述を盛り上げるためとはいえ、読者に対しての誠実さという点でいかがなものかと思います。っていうか無駄に怖い思いをしたあのドキドキを返せ、という感じです。
貝尾の入り口にある看板
貝尾の入り口の看板です。現在、行政区分としては津山市加茂町大字行重となっていますが、字として非公式に貝尾も使われ続けているようです。
殺戮だこと、読めません。
あと、勝手に「殺戮」だこと名前にされた方、少なくともまだお亡くなりじゃないですよ。戒名が赤字で塗られてますよ。