狭山事件: Mくん☆LOVE

『狭山事件 上告趣意書』『狭山事件 上告趣意書』

被害者の日記シリーズ最終回です。

個人的に伊吹本で最も衝撃的だったのが、被害者の日記のMくん(PTA会長の息子)への恋心を綴った部分です。今回の画像はその元になった上告趣意書(部分)です。

あのすばらしい……Mさんといっしょに……三日間……楽しかった

笑った顔がなんともいえない

Mさんが道でローラースケートを楽しんでいた。行きも帰りも会い、少し恥ずかしかった。早く私もうまくすべりたい。早く早く。

Mさんはこないかしら。

これを読んでいると本当に恋する乙女という感じで、思わず「萌えー」と叫んでしまいそうになります(←キモい)。

これだけの想いを毎日のように日記に綴っていることから考えると、学校でもラブラブ光線を発していたであろうことが容易に想像でき、そうなるとその恋心を犯人に利用されたのではないかと妄想してしまいます。被害者本人はおそらく隠していたでしょうが、周囲から見ればバレバレというありがちな状況だったのではないでしょうか。
そして、Mくんが生徒会長で野球部、被害者が副会長でソフトボール部という目立つ立場だったこともあり、堀兼中学ではそれなりにウワサになっていたのではないかと思います。

この点、なぜか従来の狭山事件本ではあまり取り上げられて来ませんでしたが、そういう被害者の恋心を犯人(あるいは犯人グループ)が利用した可能性はかなり高いのではないかと個人的には考えています。「誕生日を祝うパーティーをみんなでやろうよ。Mも来るからさ」という形で誘えば被害者は喜んでついていったでしょうし、「私の誕生日、うれしい」と書いていたり当日を楽しみにしていた理由も説明がつきます。さらに、そういうパーティーに誘われていたから、お金を用意しておきたいということで次兄に事件前日にお金を無心したことにもつながります。

ただし、Mくん自身が犯行に関わっていた可能性はまずないと思います。その理由は、被害者が失踪して遺体が発見される前の5月3日にMくんが被害者宅にいる写真が残っているからです。このような形で自分から堂々とマスコミの前に姿を現しながら事件に関係することは、Mくんの当時の年齢(16歳)を考慮するとまずありえないと思います。

本日のエントリに書いた内容に関しては私(管理人)の妄想が多分に含まれています。実在の人物とは一切関係がありませんので、あらかじめお断りしておきます。

One thought on “狭山事件: Mくん☆LOVE”

  1. 私の推理するところも全く同じです。
    当時、堀兼中で善枝さんの学年には3クラス・107名しかいませんでしたから、熱烈な片思いなどしていれば、たぶん周囲にはバレバレだったと思います。また、4月22日の日記にもM君に関する記述があることからみれば、事件の頃に至るまで依然この片思いは「継続中」だったとみてもよいでしょう。そしてこれは、同時に善枝さんに当時まだ付き合っていた特定の男性がいなかったことの傍証にもなるかと思われます。

    そして私も犯人(“呼び出し犯”)は、そうした被害者の恋心を利用し、「誕生パーティーやろうよ。Mも来るよ」といったセリフで誘いだしたものと考えています。著書の中ではM君の実名(苗字)を出してしまっているため、そのあたりはかなりぼかさざるを得なかったわけですが・・・。

    なお、父の栄作さんは事件翌日、警察官に対し「娘の代の卒業式の時、酒を飲んで暴れた生徒もいたので、そうした不良がからんでいるのではないかと思う」と供述しています。そのような不良生徒が、首謀者に金で釣られたか、あるいは善枝さんへの個人的な恨みがあったかで、犯行に加担してしまった、ということも十分に考えられるのではないでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です