中日新聞に津山事件関係の記事が掲載されました。
日本の犯罪史上最大の大量殺人とされる一九三八(昭和十三)年に岡山県で起きた「津山事件」の資料が、磐田市内で見つかった。
磐田市内に住む岡山県警の警察官の遺族が、自宅で保管していた。
記事中に引用されている文章を見る限り、これはどうも「津山事件報告書」に掲載されている鹽田末平検事の論文をまとめたもののようです。
記事中、以下のような文章があります。
犯行原因として、「特殊な家庭事情」から「孤独感を募らせて全く社会を隔絶し」、「生来の病弱が肺患にまで進行してその宿命的な劣等感と厭世(えんせい)観を深刻化」させた点を指摘。「致命的な弱さは性的放埒(ほうらつ)となって現れ、益々(ますます)隣人達に嫌悪排斥」され、「極度の自暴自棄に堕し、人生のありとあらゆるものを呪う気持ち」に達したと分析している。
この辺の文は、鹽田論文に一致する部分があります。
津山事件報告書 p.397
おそらく、「津山事件報告書」から一部を抜粋して、警察内部の研修資料としたものではないでしょうか。新資料でないのは残念ですが、警察内部でそのような形で事件を語り継いでいたというのはなかなか興味深いところです。
中日新聞の記事には同時に、印刷ではない焼き増ししたと思われる都井睦雄の写真も掲載されています。これはかなり貴重なものなので、是非とも一度見てみたいものです。写真は全部で26枚あるとのことで、現場写真でしょうか。
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