本件、こちらのコメントで教えていただきました。
2004年の鎌田慧さんの本『狭山事件-石川一雄、四十一年目の真実』が岩波現代文庫から再版されるとのことです。個人的には、この本が岩波というメジャーな出版社から再版されることで、再審へ向かっての世論の関心がさらに高まることを期待します。
これまで何度も取り上げていますが、「狭山事件」という用語には大きく分けて2つの意味合いがあります。
- 昭和38年に起こった女子高生殺人事件
- その殺人事件の容疑者として石川一雄さんが逮捕され、有罪とされた冤罪事件
「狭山事件を推理する」サイトでも取り上げられている通り、伊吹さんの新著を上記1.の方面からの最高峰とすれば、鎌田本は2.の方面からの一つの到達点と言えるでしょう。もし「狭山事件」について何も知らないという方がいて、事件の概要を知りたいということであれば、この2冊を読めば全体は見えると思います。
本の性格から考えてあとがきを含めた加筆部分はそれほど多くないと思いますが、単行本の版元であった草思社が民事再生になったこともあり、事件に興味はあるがまだこの本を読んでいないという方がもしいらっしゃれば、一度目を通しておいて損はないと思います。