あからさまにタテ読みで警告を入れておいたので、前回エントリの内容を本気にした人はさすがにいないと思いますが、ちょっと間が空いてしまったので念のため種明かしだけしておきます。
- 前回エントリに引用した文書は、すべて実在するGHQ文書(として国会図書館で公開されているもの)です。
- これらの文書はもともとは米国公文書館に所蔵されていたものですが、現在はマイクロフィルムのコピーを(東京の)国会図書館(憲政資料室)で閲覧できます。
- 「李中煥証言」については、サンケイ新聞昭和54年7月6日付、ならびに斎藤茂男氏の『夢追い人よ』でかなり詳細な紹介がなされています。特に、『夢追い人よ』にはサンケイ新聞の記事がほぼ丸ごと引用されています。
- この李中煥調書は、最初に小倉刑務所で聴取したものが盗まれてしまったために担当検事(後に検事総長になった布施健氏)が長崎まで行って調書を取り直したとのことです。サンケイ新聞の記事ならびに『夢追い人よ』では、「なぜ盗まれた調書がGHQの手元にあるのか」という点も問題にしています。
- サンケイ新聞記事ならびに斎藤茂男氏の『夢追い人よ』では調書を取った布施健氏のインタビューも掲載されています。それによると、李中煥の経歴詐称(モスクワに行ってるはずの時期に日本の刑務所に入っていた)、偽造写真(下山総裁の顔だけが黒いゴムの袋から出ている写真が見つかったが、それは李が知人に頼んで合成させたものであることが判明した)などからこの証言自体が信用できないという結論になったとのことです。
要するに、もう公表済みで、さらには今では日本国内で閲覧できる資料です。