狭山事件: 「となりのトトロ」と狭山事件 その2

sayamacha狭山茶の茶箱
「ドラプラ」サイトより引用。元のサイトでは記事がなくなっているようなので、こちらで改めて写真をアップさせていただいています)

以前、「となりのトトロ」と狭山事件を関連づける都市伝説を否定するエントリを書きました。

しかし、それでもまだ都市伝説を信じる信心深い方々がいて、以下のような話があちこちで書かれているようです。

「となりのトトロ」の中に、「狭山茶」と書かれた箱が映っている場面がある。そんな箱があるなんて偶然では考えられない。やっぱり製作者からの「このアニメは狭山事件と関係がありますよ」というメッセージだ!(なんだってー)

最近本ブログへのコメントでも同じような話をいただきました。なんというかほほえましいですね。この話を信じちゃう人の世代がわかります。

実際のところ、昔(たぶん昭和50年代前半くらいまで?)の東京近郊の一般家庭に「狭山茶」と書かれた箱があるのはごくごく普通のことでした。トトロのアニメは、単にそういうよくある情景を描いたものと思われます。

以下、最近で教えていただいたことを含めて簡単にまとめです。(ありがとうございます>ご教示いただいた皆様)

  • これは茶箱と呼ばれる、木で作られてブリキや亜鉛、アルミなどで内張りされた箱である
  • 書かれているのは「茶」一文字であることも多いが、産地が付いている場合、多摩地区~埼玉方面ではまず間違いなく「狭山茶」だった(南関東~中部では「静岡茶」だったり、関西では「宇治茶」だったりもします)
  • 本来は産地から街のお茶屋さんへお茶を輸送する時に使われる箱だが、お茶屋さんでは使用後の中身が空になった茶箱を売っていた
  • 一般家庭ではそれを買ってきて、押し入れや台所で、衣装や食器、お米などの保管に利用していた(段ボール箱よりも丈夫で積み重ねできること、湿気や虫が入りにくい構造になっていることなどが理由)
  • 最近はアルミパック+段ボールが利用されるようになったため、流通に茶箱が使われなくなってきている
  • 一般家庭の収納箱も、プラスチック製のものが安価に出回るようになったので、比較的重くて高価な茶箱はあまり使われなくなった

茶箱と言われてピンと来ない人も、一番上に掲載した写真を見ればどういうものかわかると思います。この写真では「さやま茶」の紙をピンで止めてあるだけですが、昔はこれがちゃんと箱に貼り付けられていました。なんで他の地名ではなく「狭山茶」なのかといえば、それが「日本三大茶」といわれるくらいのブランドだからです。

ついでなのでこの辺がきちんとまとめられた本がないかと思って探してみました。しかし、「茶箱」という言葉には別の意味(茶道で使う道具をまとめて入れておく箱)もあるようで、インターネットでも紙の本でもそっちばっかり出てきて庶民の道具としての茶箱はあまり情報がないようです。あっても、茶箱に布やクッションを張ってインテリアとして利用する話ばかりですね。あと、「茶箱」という名前のライブハウスもあるようで、ネット検索ではそちらばかりが出てきます。

狭山事件に関する本はこちら

6 thoughts on “狭山事件: 「となりのトトロ」と狭山事件 その2”

  1. なんでそうも頑なに否定するんですか?トトロと狭山事件共通点は多々ありますよ???

  2. 以前管理人さんがトトロと狭山事件の関連性を否定した際に挙げた例以外にも共通点は多々ありますよ。まー管理人さんがこのサイトでこの話しは禁止というなら自重しますけど。

  3. 伊吹隼人さん、管理人様お久しぶりです。
    本日人気YouTubeチャンネルが下記の内容で狭山事件を取り上げていました。凄く薄い内容で恐らく伊吹隼人さんの著作は読まずにアニメにしていると感じました。味方を変えると狭山事件で検索するとこの程度の情報しかヒットしないのでしょうね。https://youtu.be/rrrtQYEToPw
    伊吹隼人さんの被害者の人生から読み解く素晴らしい人間感覚と時代考証は至宝だと実感した次第です。お忙しいとは存じますがまたミニ雑誌の発売もしてくださいますのと嬉しいですm(_ _)m。

  4. 超お久しぶりです、鈴蘭です。

    トトロも無理矢理狭山事件にこじつけるなら、埼玉が舞台のアニメや漫画のクレヨンしんちゃんも、頭文字Dも、浦和の調べちゃんも、行け!稲中卓球部も、工業哀歌バレーボーイズもみーんな狭山事件と関係ある作品になるんですよね!

    ひぇー、こんなに狭山事件を扱った漫画やアニメがあるなんて恐ろしいですねー。

  5. お茶箱ですか、そうですね、お茶箱と言っているのはほとんど無いですね、ダンボール箱とか言っているくらいですから見たことも無いんでしょうね。
    当時は初期のストーリーや絵コンテの存在を知っている人はほとんど居なかったと思います。
    お茶箱の登場シーンの絵コンテには狭山茶の文字が無いところを見るとアニメーターのアイデアとも思われます。
    狭山事件との共通点ねえ、狭山茶の狭山と五月と女の子ですかね、他にあったら教えてくだされ。
    めいちゃんですが、英語の5月の
    メイとなっている様ですが、本当の名前は不明だそうです。
    もっと長いか、呼びづらいため名前の一部を使っているとの設定かも知れないですね。
    ちなみにじじいも村の人達にはそんな呼ばれ方をしてますね。

  6. トトロの都市伝説の始まりは、どうやら日大芸術学部教授、清水正氏の講義や本の中で述べた説が発端のようですね。
    この説を本当のようにする為に
    狭山事件など色んな事を付けて本物らしく見せようとしたんでしょうね。
    どれも、これだと言う決定的な証拠も画像も証言も有りませんがね。
    ただ、ネコバスの仕事は半分くらい当たってかもですね。
    トトロに出てくるネコバスはお墓の入り口までですね、あの世まで行って来れるのは、めいとこねこバスに出てくるネコばあちゃんのような長老格ですね。
    ちなみに、物語が昭和28年との話もありますので、清水教授めいちゃんと同じ歳みたいですね。
    めいちゃんに怒られそうですね。

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